【ONE PIECE】アイサレたくない恋【サッチ】
第8章 Darkness➤Brightly
「待って!」
呼び止めに応じることなくどこかに行ってしまう。
思い返せば確かに、声が似てるかもしれない。
どうして…私に会いにここへ?
もしかして両親たちをこの島へ呼んだのも彼が?
「なまえ!ここにいたのか!」
結婚式という人生の一大イベントを壊した私を憎んでいるのだろうか。
「なまえ?」
彼女の存在を知らせて絶望させるため?
それとももう一度私を惚れさせてこっぴどく振るため?
「なまえ!」
「絶対に惚れないから!」
「は、はあ?!」
「あ、ごめんエース隊長。今日は厄日ね」
「お、おう…?用事終わったみてーだし、帰るか」
「そーだね、サッチのおやつ食べたーい!」
何もかもが突然で、当人でさえ混乱してるのだからエース隊長はもっとだろうに、優しく笑って頭を撫でた。
何も聞かずに、でも欲しい言葉をくれて。
なんて温かい人なんだろうか。
「おんぶ!」
「おま、調子乗るなよ!」
「そう言いつつやってくれるエース隊長が好きです」
「兄貴は妹に弱いんだよ…」
「可愛いねー?」
「可愛い可愛い」
投げやりの言葉にも温かみを感じて満足した私は背中に顔を埋める。
厄日なんだか、吉日なんだか。
よく分からない一日だった。