第6章 家族だからしょうがない。【加州清光、大和守安定】
「星、今のは他の人にやっちゃダメだからね」
「…っぱぁ、はぁ!?意味分かんないんですけど!!」
清光は私の口を肩から外すと意味のわからない事を言ってくる。
て、いうかこんな状況になるのあんたらとくらいしか無いし!!と反論しようかと思うと後ろから不満気な声が落ちる。
「え、清光ばっかり狡くない!?僕にもやって!!」
「いや!!て、いうか…あんたら起きてるでしょ!!なら、早く起きてよ!!」
「「やーだー」」
「子供か…!!」
図体ばかりデカくなるそいつらに頭を抱えて、そして刻々と遅刻という地獄に近づく恐怖が頭をちらつく。
また、私が兼ちゃんにこっぴどく怒られるのか…。
「星」
ふと、名前を呼ぶ清光の方を見ると、清光も安定もなんだか優しい笑顔を浮かべていた。
ちくしょー、綺麗な顔してんなーとそれを見ていると安定は私の首元に顔を落とす。
「だいじょーぶ、今回は僕らも一緒に怒られてあげるから」
「だから、いいでしょ?…ね?」
はぁ!?と反論しようにも二人はとうにまた夢の中。
こうなれば、また暫く起きることのない二人にどうでもよくなって私はため息を漏らした。
まぁ、いいか。なんて途中から思ってた時点で、私は負けてるんだよなと清光の頬に、安定の腕にキスを落とす。
いい夢、みれますよーに。
そう思いながら、私も二人から伝わる温もりとともに夢の世界へと旅立っていきました。
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ちなみに、主人公は自分を地味系と言っておりますが、正確には高嶺の花系。
寄ってこない=番犬がいるから、を自分は目立たないから誰とも友達になれないと勘違いしてる感じ。
学校では美形三兄弟として結構有名という設定。
兼ちゃん先生は社会系だといいな…笑