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つれづれなるままに。【刀剣乱舞】

第2章 袖口から伝わる温度2【厚 藤四郎】





思いがけない再開に私はとっさに隠れる。
隠れると言っても、ベランダには何もなくて上着のフードを被りただ座りこんだ。

どうしているのだろう、そう思うも言葉にできない。

ピロリとまた、鳴いた。



“会いたくなったから来ちゃった”



まさかの言葉に、私の脳はもう手一杯で少し涙が出てくる。

どうしよう、どうしようそんな感情と会いに来てくれた高揚感がごった返して足の踏み場もない。

ただ、彼から送られてくるメッセージを見ていることしかできなかった。



“そのままでいいから”



“聞いてほしいことがある”



私はその言葉に、こくりと頷く。
それを見ていたのだろう彼からまたメッセージがくる。



“星の事を好きになってしまいました”



「っ…ぅ、…そ……」



突然の告白に、声が漏れる。
嘘だ、なんかの間違いだ、そんな感情が頭を支配する。
でも、それよりももっと大きな感情が頭からこびりついて離れてくれなかった。



私は落ちてくる涙を擦って、急いで玄関へと向かう。
扉を開けると会社帰りと思われる服装に見を包み、月の光をバックに彼は赤い顔をして待っていた。



「突然降りてくるなよな、びっくりするじゃん」

「…ぁ、ごめ…っ」

「また泣いちゃったんだな」

「ご、め……っ」


ポンポンと頭に手を置かれ、それを合図にまた涙が流れてくる。

会いたかった人が会いにきてくれた。
会いたかった人が今、側にいる。

本当にそれだけが嬉しくて、私の涙は止まらなかった。



「れ、れん…らく、さ…きっ…」

「うん」

「…おぼ、え…ってます、か…っ」

「うん」



涙ながらに、伝える。

でも、涙も口も気持ちも、全てが私じゃない生き物のように動いて、今更もう止めることなんてできなくて


私は伝えるしかなかった。

ぐしゃぐしゃな顔を上げ、彼を見る。
彼は優しい笑顔を浮かべながら、私の言葉を待っている。

私は伝えなきゃいけないと思った。



「わ、たしも…あ、なたが……っ」



好きです。

その言葉は暗い闇の中に消える。
抱きしめられ、伝わる温もりと彼の匂いに私の涙はまだしばらく止まりそうになかった。






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書き直しました…っ!

相変わらず雰囲気だけをお楽しみください。







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