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薄桜鬼-短編-

第1章 春空の桜雨


僕は……

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僕は江戸に住んでいる
江戸といっても、凄く治安が悪く、女は犯され、子供は暴力を振るわれるのは当たり前な地区だ

治安が良い所のヤツは、僕を含めたこの地区の人間を“汚物”と呼ぶ

汚物と呼ばれ、いつもそいつらを殺したく思う

僕の地区の人間では、思うだけに止まりきれなかった事もあるだろう

現に僕は、人を殺した事がある

確か、何処かの大名だったと思う

見た目を男っぽくしてるため、その大名は初め男だと思っていたみたいだが、僕が女だと解ると、襲いかかってきたから 殺した

当時、僕は9才だった
大名を殺してからというもの、僕は殺した大名から奪い取った刀を腰に差し暴れまわった

幕府の犬と殺りあった時、僕は幕府の犬に“羅刹”と呼ばれた

羅刹と呼ばれたその日から、名を羅刹と名乗った

幕府の奴等は、羅刹と聞いて狂った様に僕に斬りかかってくるようになった

僕の体は血を求めている

人の死とは、とても呆気ないモノだと、幼い僕はそれが人の運命(さだめ)と打ち切り、人を、狂人を、罪人を、幕府の犬を…
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