第3章 怪しい依頼にはご用心⁉︎
「君に依頼を理由をした理由はただ1つ。…君が欲しいんだ」
私は自分を指差せて、「へ?」と言ってしまう。
「要するに君のことを雇いたいのだ…おい、ステラ!」
マスターがそう言うと燕尾服の男、ステラは私に紙を渡してきた。
「ここは《ルーコイド・ターキス・カンパニー》のアジトであり、我々の家だ」
最初は冗談かと思っていた。
ルーコイド・ターキス・カンパニーと言えば、世界各国で恐れられている犯罪組織だ。
私ももちろんその名を知っていた。
組織に関する情報は一切なく、突然現れて犯罪を犯す極悪非道な組織。
それがルーコイド・ターキス・カンパニーだ。
「う、嘘ぉぉぉ…じゃないですよね」
情のない声を出して、私は紙とマスターの間で視線を彷徨わせる。
渡された紙には【契約書】と書かれていた。
「ルーコイド・ターキス・カンパニーで働かないか、アオメ?」
そう言いながら私に万年筆を渡してきた。
「えっと…1つ聞いてもいいですか?
断ったらどうなりますか?」
私がそう聞いた瞬間、背後でいくつもの殺気が感じられた。
後ろを見ればメルロさん、クレナさん、ステラさんが私に銃を向けていた。
「ご存じの通り、我々の存在を知った後にここから出れるのは屍になった時ですよ?」
ニコッとメルロさんが笑ってそう言った。
その笑顔を見て、私はすぐにマスターに向き合う。
「ー万年筆をお借りしてもいいですか?」
こうして私は雇われることになった。