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殺し屋が執事になってみました。【R18】

第12章 復讐の始まり


シルダさんは私の肩を抱きながらそう言うと、彼らから離れて活気的な商店街の方に歩く。


「スーツとか先に買っちゃうぞ。あと女物の服とか必要だろ?」


そう言いながら彼は手際よく私のサイズに合うスーツを選んだりしてくれたおかげで、買いたいものはすぐに揃った。



「本当に服代いいんですか?もう結構な額になってますけど」


「いいんだよ。前の酒代全部払ってくれたんだからこれでチャラだろ?オーバーしたぶんは祝いだ。

次の店は俺の買い物だからその辺ぶらぶらしててくれ。10分後にそこの時計台集合な!」


そう言うとシルダさんは早足で行ったので、私は配達屋に手紙を速達で頼んだ。


あと12日以内に私はシルダさん達と戦い、タナトと父を殺すのか…。


それが終わったら私はまたルータスで生活を送れるのかな……


そんな様子を思い浮かべようとしてもなぜだかうまく想像できない。それがなんだが不気味で、胸騒ぎを起こす。


弱気になっちゃダメだ…サクッと終わらせてまたみんなの元へ帰るんだ。


私は無理矢理気持ちを切り替えて、1つ買い物をしたあと時計台へ向かった。


「おーい、ラリー!遅くなってごめんな!」


そう言って遠くの方から走ってやってきたシルダさんは私に紙袋を渡してきた。


「これ….なんですか?」と聞けば開けてみろと言われたので言われるがまま開けると何やら服が入っていた。


「幹部の部屋広いからいくらでも隠せるだろ?似合うと思うぞ〜」


その声と同時に広げた服は裾がふんわりしている可愛らしい服。つまり女物の服だった。


「たまにはいいだろ?動きやすそうだからそれきて任務もできるんじゃないか?みんなには女装って言えばバレないしな」


ドヤ顔気味にそう言ってくるのでおもわず笑ってしまう。わざわざ買ってきてくれたようだ。


「俺も渡したいものあるんです。今までお世話になりました」


私が彼に渡したものはシルダさんに似合いそうな服を5着ほどだった。いつも彼の服を借りては血で染めたのでいつもいつも申し訳なかったのだ。


「おお、これ俺の好きなブランドだぁ〜。よく分かってんな!サンキュー!」


目をキラキラ輝かせてお礼を言ってくる彼を笑いながら私たちは酒場に行き、楽しい夜を過ごした。



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