第1章 はじまり
「ちッス。」
『あっ、さっきの』
「さっきは、あざッした。」
『いやいや、1人だけ置いて教室に行くわけにもいけないしね』
「そッすか」
隣に座ってきたのは、さっき私が起こした男子生徒だった。
喋り方がTHE体育会系だ。
キリッとした目と、イカした前髪が特徴的。しかも、でかい。180cmくらいありそうかな。
「ねえねえ、遥」
後ろから肩を叩かれる。
『ん?』
「お隣くんとお友達なの?」
『お友達ではないよ、入学式で寝てたのを起こしただけ』
「ふーん。そうなんだ。てかイケメンじゃね?」
『そう、だね』
どちらかと言えばイケメンに値するのだろう。
ただ、雰囲気的に近寄り難いというか…。
怖いというか…。