第11章 EIGHT
他のメンバーも固唾を飲んで見守っていたが、お咎めなしとわかり騒ぎ始めた。
勿論、村上くんが標的や。
揶揄われまくってた。
「村上さん」
「うん?」
「ありがとうございます。
嬉しかったです」
「えっ、あっうん、ええよ」
「錦戸さんもありがとうございます。
元はと言えば私が手広く営業掛けたせいですし、今度からは立ち位置をもっと気を付けます」
礼を言われると正直、嬉しかった。
キレてしまってやらかしただけやのに。
でもな・・
「立ち位置って何や・・
そんなにエイターに気使うねん。
お前はマネージャーやろ!女だからって遠慮して存在消す必要なんてねぇんだよ!
そんなにエイターが大事か!?」
我慢出来へんかった。
自分を蔑ろにするのが許せんかった。
「錦戸さん勘違いしてますよ」
「何がや」
「私が大切にしてるのはエイターではありません。
私が大切なのは関ジャニ∞のみなさんです」
えっ?
「女が感情的になった時の怖さは、女の私の方がわかっています。
何より、みなさんがファンをエイターと呼んで大切にしているのを知っています。
そのみなさんの気持ちを傷付けたくないだけなんです」
あかん。
あかんわ・・
何でや・・
何でそんな事言うねん。
「ふざけんじゃねぇ!」
ビクッと白元の肩が揺れた。
揺れたのがわかったが止められない。
俺は白元の腕を掴もうと手を伸ばした。
「お前はッ
「亮!止めろッ!!」
ガシッと俺の手を掴む章ちゃん。
今までに見た事がないほど、鋭い視線を向けてきたんや。
「何で止めんねん!
こいつに言わんと俺は
「亮!あかん!!
今のお前が触ったらあかん!」
「大丈夫か、白元・・」
な、何や・・
何が起こった?
章ちゃんの背後で横山くんが白元の身体を支えてた。
「だ、大丈夫、です」
「大丈夫じゃねぇな・・ヒナ」
「わかってる」
頷いた村上くんを確認した横山くんは、白元を連れ楽屋を出て行った。