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俺らのマネは地味子さん。

第11章 EIGHT





ー亮sideー


「お二人とも本当に勘弁して下さい!!」

「すまん」
「悪りぃ」

楽屋に入った途端、普段温厚な山田がキレた。
大人しいヤツがキレると手が付けられんってよく言うけど、ほんまやな。

めっちゃ怖い。
だって、俺ら山田に正座させられてるんやで。
それも床に直接や。


「でも、俺は後悔してへん。
あれ否定せんかったら俺は男やない!」

村上くん・・
男や、俺なんてキレただけやで・・

「・・あれは僕もスッキリしました」

そう言ってニヤリと笑う山田。
俺たちは顔を見合わせ、笑い声を上げた。

緊張感が溶け、立ち上がろうとした瞬間やった。

「笑い事ではないんですが」

「「!!」」

声だけで表情が引き攣っている山田。
振り返らん方がええ、入り口には鬼がおる、マジ鬼や。

コツコツと中に入ってきた鬼、いや、白元。
俺たち全員の視界に入る場所までやって来た。

「森本さんからご連絡頂きました」

森本さん?
誰それ。

「お昼の番組をお持ちのプロデューサーです。
錦戸さん、出来るだけ顔と名前は認識して下さい」

あっ、バレた。

「すみません、私が付いていながら」

「いや、俺が悪いねん。
キレてしまって・・」

「最後の最後で我慢出来へん俺が悪い。
・・そのプロデューサーが何てゆーたんや?」

村上くん強い・・
普通聞けんで。

「・・爆笑されていましたよ」

「「えっ?」」

「お電話で開口一番に
『白元ちゃんに枕の噂出たよ!マジ笑い過ぎてお腹いたいんだけど!村上くんのセリフ面白かった。』
との事です」

「「えっ?」」
「俺、ウケ狙ってないんやけど」

「あの場にいた大半の記者は知り合いだったのが幸運です。
取り仕切るプロデューサーも好意的ですので、少し映像を使うだけで音と騒動はカットしてもらえる事になりました」

「そ、そうなん?」

「本当ですか?!
良かった・・」

「相手が嫌われている記者だったのも幸運ですよ」


同じ記者に嫌われてるのか。
にしても、大事にならずに済んで良かったわ。






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