• テキストサイズ

俺らのマネは地味子さん。

第11章 EIGHT






「そろそろ着きます。
何があっても絶対に立ち止まらないで下さい」

堅い山田の声。
緊張してるのがわかる。

滑る様に裏口に車が止まった途端、ガヤガヤと近付いて来るマスコミ各社。

中には毛嫌いしてる週刊誌の記者の姿も見えた。


「亮」

「わかってる」

深くキャップを被り直した亮。
山田が開けたドアから俺、亮、マルと順番に降りる。

「錦戸さん!」
「脱退するとの事ですがー」
「ファンへのー」

我先に声を拾おうと揉みくちゃになる記者達。
そして、カメラ。

警備員の助けもあって、どうにか報道陣の中を突き進む。
後、少しで中に入れる。
そう思った時、聞き覚えがある声が耳に届いた。


「今日は女マネージャーはいないんですか?」

小馬鹿にした様な言い方、この声はさっき見掛けた週刊誌記者。

「あの女性はただのマネージャーですか?」

あかん。
アイツは俺らを逆撫でしようとしてるだけや。

聞かなきゃええんや。
無視しろ、亮。

「その女性は身体で仕事取ってるって噂がありますが実際はどうなんですか?」

「「!!!」」

「ふざけんなよっ!
アイツがそんなマネするわけねぇだろっ!」

「亮!!!」

記者に食ってかかろうとした亮を抑え込み引き摺り、建物内に押し込む。

「マル、亮を頼むわ」

「村上さんも早く」

振り返ると山田の焦った顔。
思わず笑ってしまった。

だって、あかんねん。
もう止められない。
あかんってわかってるけど、これだけは譲れんねん。

俺は、暴言を吐いた記者に向かう。

沢山のフラッシュが光る中俺は、今まで出した事が無い低い声で問いかけたんや。

「そこのアンタ、根も葉も無い事言ってほんま記者か?
寝言は寝て言えや」


関ジャニの抑え役。
嫌いじゃねぇよ、みんなの考えをまとめるのは好きや。

リーダーがいない関ジャニでは、誰かが何かしら関ジャニのために動いてんねん。

俺かて、我慢出来へん事があるんや。
たまには、俺が動いてもええやろ。





/ 167ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp