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俺らのマネは地味子さん。

第10章 SEVEN





ー横山sideー


順番にメイク直しに向かって、最後は俺。
スタッフに案内されながら楽屋を目指す。

「あら、あの子大丈夫かしら?」

スタッフの声に視線を向けると壁に寄りかかり、見るからに具合が悪そうな女がいた。

「貴女、大丈夫?」

「・・大丈夫、です」

顔を上げ答える女。
視線が合った途端、晒された。

えっ?
何?

何気に顔を晒されてショックや。

「無理しないで本当、具合悪そうよ」

「その子、医務室に連れて行って。
俺、楽屋わかるから平気や」

スタッフにそう言いながら、一瞬見えた女の顔を思い出す。
何処かで見た顔や。
でも、どこやったか思い出せん。

「わかりました。
行きましょう」

大人しくスタッフの手を借りる女。
その様子を見ながら頭をフル回転させるがやっぱり思い出せない。

うーん、人の顔覚えるの得意やけどな・・
見掛けただけの子か?

2人が歩いて行くのを確認して、俺は楽屋に向かった。
すばるが遅れて来たせいで後が押している。
早くメイク直ししないと間に合わない。

楽屋に入るとそこにはマルとヤスがいた。

「ヨコちん、さっき誰かに会わんかった?」

誰かって誰やねん。

「・・具合悪そうな女には会ったで」

それ以外、スタッフぐらいや。

「えっ!それで?!」

「それでって何なん?
一緒にいたスタッフに医務室連れて行ってもらったわ」

ホッと安堵したマルとヤス。
対照的に山田は青白い。

「山田も具合悪いん?」

「いや、大倉の話だと山田は壊れてしもーたらしいで」

マル・・
ごめん、意味わからへん。







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