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俺らのマネは地味子さん。

第10章 SEVEN





ー安田sideー

あら、凄い美人。
しぶやんの知り合い?

聞けば、山田の知り合いぽいが訳ありみたいなや。

ソファーに横になり瞳を閉じる女。
辛そうやな・・あっ!

「多分やけど・・あった!
流石、白元ちゃん!!」

白元ちゃんが用意した鞄。
山田が代わりに持って来た、その鞄の中に冷却シートが入ってた。

「冷却シート?
白元さんそんな入れてたんか?」

「ほんま、準備ええな」

そっと、額にシートを貼る。
冷た過ぎなのか、眉間に皺が寄り女の子はそっと瞼を開けた。

「あ、りがとう」

小さな声。

「ええって、気にすんな。
元々俺が悪いんやし」

首を横に振った女にしぶやんは優しく頭を撫でた。

えっ?何これ?
何で、しぶやんこんなに優しいの!?

「・・しぶやんが優しい」

マルも同じ事思ったのか、恨めしそうにジーッと見つめてる。

基本、女の子に優しいしぶやん。
けど、面倒やと思った場合速攻冷たくなる。
これが面倒に入らん、しぶやんは珍しい。
頭まで撫でてるのも貴重や。

動かないしぶやんをスタッフが呼びに来て、やっとそばを離れた。

「気にせんと寝てけ、いいな」

そう言い残し部屋を後にした。

「・・明日、雪降るんとちゃう?」

「・・マルそれしぶやんに言ったらしばかれるで」

でも、同感だった。
確かに人目を惹く美人やけどそこまでしぶやんが気にするって・・

もしかして、あれか?
まさかな・・

てっきり俺はしぶやんは・・

「安田さん、どうぞ」

メイクさんの声に慌てて思考を止め、メイク直しに入る。

「みなさんメイク直し終わってるんですか?」

「後、ヨコちんだけやで」

山田の問いにマルが答えてくれた。
そのタイミングで起き上がる女。

フラフラしながら立ち上がり俺らに頭を下げた。

「もう少し寝てたがええで」

慌ててマルが止めるがまた、首を横に振るだけ。

「喋るのも辛いんやろ?
な、俺らは大丈夫だし。
メイクさんもいてるから大丈夫やで」

あっ、そっか。
何で喋らんかと思ったら、喉が辛いのか・・

それでも首を横に振った女は頭を下げ、部屋を出て行った。




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