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俺らのマネは地味子さん。

第10章 SEVEN





すばるのトラブル以外トラブルはなく、放送が無事終わった。
カットが掛かった途端、気が抜ける。

スタッフに挨拶しながら楽屋に戻ると1番乗りしていたすばるの声が室内を満たしてた。

「だから、名前や!名前!」

どっからその元気が出でくるねんと思える程、元気なすばる。
ヒナですら宥める元気は無く、机に顔を伏していた。

「なー、何の話?」

「熱出た女の話」

あー、あの子。
すばるも会ってんのか・・

「知り合いなんやろ!?」

「いや、あの、ですが・・」

「あーもう!すばるうるさいねん!
山田も名前ぐらい教えたりーや!別に連絡先聞いてるわけとちゃうねんで!!」

とうとう止めに入ったのは結局、ヒナ。

「・・・あ、有川さん」

「有川さんってゆーの?
下の名は?!」

「し、知りません!
渋谷さん早く着替えすませて下さいね!!」

山田は逃げるように楽屋から飛び出した。

「知らんって何やねん。
知り合いと違ゃうのか?」

すばるの疑問も納得だった。

「すばるくん、ほんま山田の彼女やなかったん?」

「おう、否定してたで」

「・・・じゃ、山田の片思い相手だとか?
だから、隠してたとか?」

「おー!亮、今日冴えてるやん!
多分、絶対それやて!!」

あの隠し事が苦手な山田があそこまで頑ななら、考えられるのはそれだけやろーな。

にしても、山田・・
高嶺の花に手出したとちゃうか?

いつも、山田を弄って遊んでるが信頼してる仲間には、変わらない。
そんな山田が落ち込む姿なんて、正直ほんまは見たく無いって俺たちは密かに思ってた。








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