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俺らのマネは地味子さん。

第10章 SEVEN






ー渋谷sideー


どこ言ったんや?
確か、こっちやと思ったのになー。

山田の彼女。
見て見たい、その本能だけで俺は動いてた。

あっ!あれや!!


「見つけたで!!」

俺の声に小さな肩がビクッと揺れる。
勢い良く振り返り、俺を見て目を丸くしてた。

おっ!
山田に不釣り合いなぐらいのべっぴんさんやん!!


「!!」

逃げる女。
追い掛ける俺。
女の足に負けるわけなかった。






「捕まえたで!」

「ーーっっ!!」

ガシッと掴んだ手。
ポカポカと熱かった。

「お前、山田の彼女なんやろ?」

「・・・・えっ?」

「えっ?違うん?」

そう聞くと頷く女。

亮のヤツ、嘘ゆーたな!!

困惑した表情に頬が赤い。
俺が走らせたせいや。

「悪い、勘違いしてた。
走らせて悪かったな〜
でも、逃げんでもええやん」

「・・・」

一言も発しない女。
人見知り?
だったら、逃げるのも当たり前か?


「悪かったな」

そう言って触れた頭。
撫でようとして気付いた、この女熱い。

「お前、大丈夫か?
熱あると違うん?」

熱を計ろうとデコに手をあてる。

「熱っっ!!
あかん!熱あるやん!何度なん!!?」

熱のせいかボーッと俺を見上げていた女。
ハッとして慌てて首を横に振ってくる。

「いや、あかんって!
どっかで休み〜」

「・・24時間は?」

ボソッと小さく聞こえた声。

「えっ?あぁ、大丈夫やで」

そう答えたら、握っていた手を掴み直され走り出した。


「あかん!走ったら熱上がるで!!」

「・・・」

聞こえていないわけないのに返事してくれへん。
俺は、引っ張られるまま来た道を戻って行った。




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