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俺らのマネは地味子さん。

第10章 SEVEN





「誰?今の女?」

すばるくんの問いに大倉が答えた。

「斗真くんをフッた女」

「違うって」

「じゃ、斗真くんがナンパ失敗した女」

「・・それは間違いないけど・・・
この人が邪魔しなきゃ上手くいってたんだよ」

そう言って斗真は、山田を指差した。

「ち、違いますって!」

「斗真諦めな、山田の彼女なんやから」

「「えっ?」」

あんだけ隠すんだから、間違いないやろー。

「ち、違いますって!!
あの人は彼女じゃありません!!」

「じゃ、何で邪魔したの?」

相当お気に召したのか、しつこい斗真。
大倉も一緒になって山田に詰め寄ってる。

「へぇーっ。
山田の彼女か・・・」

あっ、ヤバイ。

「すばる!あかんで!!」

村上くんも気付き、慌てて止めようとしたが遅かった。

「ちょい見て来るわ!!」

そう言って駆け出したすばるくん。

「あかん!時間無いねんでっ!!」

「し、渋谷さん!戻って下さいっ!!!」

「大丈夫!見て来るだけや!
止めててや!」

止めててって・・
生放送やで。

俺と村上くんは顔を見合わせた。
考えつく事は同じらしい。

「亮」
「村上くん」

お互い皆まで言わなくてもわかってる。

「3人だけでも急いで下さいっっっ」

山田の半泣き声を合図に俺は、大倉の腕を掴み走った。

マジあかん!
ヤバイでほんま!!

何も起こらないまま、終わるわけないと思ってた。
が、これは予想外や。

「山田!すばる連れ戻せっ!!」

村上くんはそう指示を出し、後に続く。

「何でこんな時に白元いないねん!」

同感だ。
あのキラキラした瞳のすばるくんを止めれるのは村上くん以外に白元しかいない。

だけど、ここで村上くんまで抜けられると非常にマズイ。
後は、山田に賭けるしかなかったんや。




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