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俺らのマネは地味子さん。

第16章 THIRTEEN







「なぁ、白元さんの気持ちは?」


2人の空気を破る様に放った言葉。
その発言をした大倉にみんなの視線が集まった。


「村上くんもすばるくんも自分勝手や。
白元さんの気持ちはどこにあんねん」


数時間前に見た、あの悲しげな笑顔が蘇る。


「ヤスは知ってんだろ?
白元さんの気持ちも何故俺らの前に現れないかも。
教えて」

「大倉!お前ッ・・」


驚く村上くん。
俺には何の事がわからへん。


「「えっ?」」

「・・・」

「どーゆう事や大倉。
おい、ヤス何で黙ってんねん」


章ちゃん?
どうゆう事?

わけわからへん。
大倉の言葉に何も答えん章ちゃん。

大倉がゆーてる事はほんまなん?



「ヤス?」

マルの声に章ちゃんはため息を吐き、天井を見上げた。


「今日会えたのは偶然やない」


嘘やろ・・
その言葉は肯定したと同じや。

知ってて隠してたんか?
知ってて黙ってたんか?

俺らが必死に白元の行方を捜してたんやで!



「章ちゃん!!」

「・・亮、ごめんな」


何やそれ・・
ごめんって何やねん!!!

立ち上がった俺は、止める事が出来へんかった。
章ちゃんに掴みかかろうとした手は、マルに掴まれ背後からは大倉が抑え込んできた。


「亮ちゃん落ち着いて!」
「あかん!!」

村上くんの時は、誰も止めへんかったのに・・
何で俺の時は止めるん?!

2人を見れば、いつの間にかすばるくんの胸倉から手を離してる村上くん。

あぁ、そっか。
みんなわかってんねんな。

村上くんが本気ですばるくんを殴る事が無いって・・
俺とは違うって・・。


「・・亮、白元ちゃんに会いたい?」


会いたい?
白元に?
俺が?

章ちゃんと視線が重なった。





「会いたい」

答えは決まってんねん。
考える必要はねぇ。



「すばるくん・・
俺、アイツが好きや」


会えんくなって、余計に募った想い。
考えるのは無駄やった。

溢れ出すのは時間の問題やったんや。
もう、会えへんくなるのは嫌や。





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