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俺らのマネは地味子さん。

第16章 THIRTEEN






ー錦戸sideー



村上くんが言ってる事は、俺も思った。
けどな、すばるくんが言った事もわかるんや。


「ヒナ、ほんまに戻せると思ってんのか?
相手は社長や、ジャニーさんやで」


白元がマネージャー辞めなきゃいけなかった。

週刊誌掲載でのペナルティー。
それを決めたんはジャニーさんや。

俺らが望んだとしても、白元が望んだとしても叶わへん。

実際俺らがした、アレは無意味やったんや。
エイターは女の白元がいた事を理解してくれても、居続ける事は望んでねぇ。



「わからへんやろ」

「・・無理や」

断言するすばるくん。
その言い方に違和感を覚えたのは俺だけじゃなかった。


「すばる・・お前何した?」

「・・・」

「言えや!
お前は何をしたんや!」


立ち上がり、すばるくんの胸倉を掴む村上くん。
こんな村上くんは初めてだった。


「知ってどーする?
言ったらヒナは諦めるか?」

「・・・」

「ヒナは何でそこまで地味子に固執するんや。
・・素直になれ」

「・・・アホっ」


か細く呟く村上くん。
他のメンバーは、息を飲んで見守るしかなかった。


何より村上くんの気持ち。
すばるくんの言葉。
あれは、どう考えても・・


聞けへん。
俺には確かめる事が出来へん。

だって、俺は迷ってねん。

どうするか・・
秘めたままでいるって決めたばかりや。

すばるくんみたいに声に出しては、まだ言えへん。
気持ちの重さとか想いの強さとかやない。

ただ、口に出して言う勇気がねぇんだ・・





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