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俺らのマネは地味子さん。

第14章 ELEVEN







「わかった。
とりあえず白元は休め!
それじゃ、話にもならん」

「嫌だ」


腕を取ろうとした信ちゃんを交わし、何故か裕ちんの背後に隠れるあずみさんの動きに
「えっ?何や?!」と、裕ちんはテンパり気味。

勿論、俺たちも駄々を捏ねるあずみさんの姿に目を見開いてた。



「・・駄々捏ねるな!こい、白元!!」


ピキッとこめかみに青筋を浮かべる信ちゃん。
しぶやんも大倉も黙って裕ちんを睨みつけてた。

俺とヤスはオロオロと慌てるしかなくて、止まらない信ちゃんは制したのは何と亮ちゃんやったんや。



「村上くん、それ以上はあかん」

「・・亮」


まさかの亮ちゃんの態度。
目をパチクリさせ、驚くのは俺だけじゃなかった。


「白元おいで」


な、な、な、何や!
こんな優しい亮ちゃんは、ドラマでした見た事無い。
思わず男の俺でも胸キュンするで!


「・・だって」

「おん、わかってる。
メンバーに話したい事あるんやろ。
怒りたいわけやないもんなー」


・・あかん、夢見てるわ。

あの亮が、大人や。
それにあずみさんがまるで年下みたいに亮の言う事を聞いてる。

亮の言葉に頷いたあずみさんは、オズオズと背後から出て裕ちんの隣に座り直した。

一体どーゆう事?
何やのこの2人?!


「話したい事って何や?」


誰も口を開かない中、しぶやんだけが訪ねてくれた。



「ありがとう」


その一言を言うとあずみさんは、裕ちんの肩に寄りかかったまま寝てしまった。



ありがとう

その言葉だけで充分や。
あずみさんが何を思い何を伝えたかったか、よくわかるで。


「・・1人で頑張り過ぎや」


信ちゃんの呟きにみんなが頷き返した。
ほんま、もっとみんなに頼って欲しいわ。


「亮ちゃん、白元さんの部屋わかる?
起こすの可哀想やから、運ぶわ」


大倉があずみさんを運ぼうと手を伸ばすが、信ちゃんがそれを留めた。


「ええよ、そのベッド寝かせとけ」


もう、今日はこれで解散や。
帰れ と、信ちゃんはゆっくりあずみさんの身体をベッドに横たえたんや。


「なー、俺ここいてええ?」
「俺も」

信ちゃんはあかんとは、言わんかった。







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