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俺らのマネは地味子さん。

第14章 ELEVEN






ー横山sideー


「何で亮と一緒に来るん?」

ドアを開けたすばるの第一声。
俺も同じ気持ちやった。

「たまたまや、な?」

「はい、たまたまです」

いや、違うやろ。
どー見ても偶然やない。

白元の様子かて、思った反応と違う。
あいつ、抜け駆けしたな!!


「まぁまぁ、とりあえず座ろうや」

ヒナの呼び掛けに1つだけある椅子に白元を座らせ、後は各々、適当に腰を下ろした。


「・・どっくん」

「何?」


そばに来たどっくんに抱き着くと、驚き慌てふためく。
あー、これ・・!


「何やねん!」


挙動不審などっくんを俺は黙って見つめた。
わかってしまった。

この事、言う?黙っとく?


「だから、何でそんな目で見るんや?!」


そんな目?
いつも通りの目やで。


「言いたい事あるんやったら、ゆーて!
横山くんの目、めっちゃ怖いんやて!」

なら、言わせてもらう。


「何でお前から白元の匂いがするん?」

「えっ?」
「ぶっ!」
「「はぁ〜っ!!」」


誤魔化されへんで。

その匂いは、白元の匂いや。
間違いない!


「どーゆう事や!亮!!」
「事の次第によっては許さへんで」

「ま、待って!
すばるくん、村上くん落ち着けって!」


おい・・
どーゆう事や?

すばるはわかる。

何でヒナまであんな怒ってるん?
反応があってよさそうな大倉が無反応や。

・・・あっ、寝てる。
起こすの忘れてたわ。

・・まぁ、ええか。


「裕ちん、どーゆう事なの?」

「白元ちゃんって香水付けてないよね?」

「香水の匂いじゃない。
何てゆーか・・シャンプー?石鹸?
うーん、白元の匂いや」


言っててわからんくなった。
けどな、間違うはずがないんや。

あいつは絶対、白元を抱きしめた。
その移り香なのは確かや!


「・・地味子、抱きしめさせろ」

「あかん!何どさくさに紛れてゆーてんねん!!」


いつもの調子で騒ぎまくる俺たち。
そんな中、室内に白元の笑い声が響いた。





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