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俺らのマネは地味子さん。

第12章 NINE







ー安田sideー


31日夜。
1部が終わり、とうとう2部とカウントダウン中継だけになった。



「章ちゃ〜ん!!」

亮の声に俺は慌てて円陣に加わる。

「来てへんな」


暗いしぶやんの声。
暗いのはしぶやんだけじゃない、俺たち全員だ。

きっと来ると思ってた。
だけど、一向に楽屋に現れない。
もう直ぐ始まるこの瞬間にもだ。



「あのさ、俺言ってなかったんやけど・・・
オカンのチケット、山田に白元に渡す様に頼んだんだよな」

「「えっ?!」」


ヨコちょのオカンのチケット?
チケット?オカンの?


「どうゆー事や?」

「だからさ!
俺、やっと前向けるじゃん。
その・・オカンに見てもらおうと思って、山田に頼んで今日のチケット取ってもらったんや」


照れ臭そうに目を晒すヨコちょ。


「裕ちんのオカンの席があって、それを山田があずみさんに渡してもらったって事?」

「おう、だからさ、もしかしたらその席にいてるかもしれん」

「「!!!」」

ありえる!
ありえるよ、ヨコちょ!!


「ヨコ!ナイス!
地味子なら間違いなくそこにいてるわ!」

「山田が取ったのなら関係席やな!
そこなら白元がおってもおかしくないで!!」


一気に元気になるみんな。
こうなったら居ても立っても居られない。

俺たちは円陣を組み直し、気合を入れた。


俺らに合わせる顔が無いと思ってる白元ちゃんならきっとそうする。

山田は言うだけ言った、脅しましたと言ってたんや。

エイターを傷付けない、信じてくれてるって言ってくれて嬉しかった。

けど、白元ちゃんなら絶対に気になってるはず。
俺らを知ってる白元ちゃんやもん。

絶対に無視なんて出来ないはずや。







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