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俺らのマネは地味子さん。

第11章 EIGHT






「キス、してええ?」

「えっ?」

思わず出た言葉。
驚き、顔を上げる白元。

あかん、顔見たら余計にしたい。


「キスしたい」

明らかに狼狽し後退りする白元。
いつもの強気な態度は全くなかった。
そんな余裕はないねんな。


「ええ?」

「だ、ダメっ」

「何で?
した事あるやん。
1回も2回も同じやろ?」

「同じじゃない!」

後退りし過ぎて、背中壁ついてるで。
俯く白元の顔に手を添える。

ビクッと肩が小さく揺れた。



「・・白元」

指先を滑らせ、顎を撫で上を向かせた。
涙目の瞳が揺れてる。


「ーーーっっ」

あかん。
知らんやろ。
その表情、俺を煽ってねんで。


「ーーっぅ、ダメっっ!!」


突然、バシッと頭を叩かれた。

おい、何や・・


「ダメです!
私は、マネージャー!!
出来ませんっ!」

「・・・」

「私は横山さんとそういう事は出来ません」

キッパリ言い切った白元。



「・・やっと戻ったな」

「えっ?」

「遅い、ほんまにキスするところやったわ」

「・・揶揄ったんですか?!」

「うん?ほんまにキスして欲しかったか?」

「横山さん!!」

膨れっ面で外方を向く白元。



「許してや、な」


そう、許してや。
あんな事言われたら、誤魔化すしかないねん。

誤魔化す事しか出来へん俺を許してや。






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