• テキストサイズ

おそ松さん〜寝物語は君の隣で〜

第8章 お茶をどうぞ、お嬢様〜執事松〜




勉強を始めてもうすぐ長い針が一回り。

何度も赤で訂正された問題とにらめっこ。


「出来た!これでどう?」


ドキドキしながらノートを見せる。

カラ松は顎に手を当てながらノートに目を通すと、


「フッ、上出来だ」


赤マルでも花マルでもなく、何故か薔薇を書いた。


「なにこれ?合ってるってこと?」

「ああ!主イズワンダフル!主イズビューティフル!これでもう追試という悪魔は追ってこないさ!」

「やったぁーーー!!」


両手を挙げてバンザイする私を見て、カラ松は嬉しそうに微笑んでいる。無駄に上手な薔薇を抱きしめ、私も満面の笑みを返した。


「ありがとうカラ松!」

「お嬢様の力になれたなら何よりさ」


手を差し出されたので、再び握手。


「ええ。イタくてどうしようもないダメダメ人間の代表だと思ってたけど、意外と役に立つんですね!」

「え」


生気を失った目のカラ松をスルーし、るんるん気分で立ち上がる。


「では、この後は他の者に教えてもらうので」


テーブルの端に置いていた化学の教科書に手を伸ばす——と、同じタイミングで立ち上がったカラ松と肩がぶつかってしまった。


「きゃっ」

「オゥフッ!ミステイク!」


バランスを崩し2人でソファーに倒れ込む。



/ 175ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp