第8章 お茶をどうぞ、お嬢様〜執事松〜
「ふざけたわけじゃない。その…つい、気合が入り過ぎてしまったんだ。喜んでくれると思ったんだ!だが、オレの愛は空回り、カラ松だけに………………バーーンッ」
「……」
イタイ言葉を浴びせられ私の心は満身創痍。でも、イタくて残念なだけで、なんとなくカラ松がふざけていないのは伝わった。本当になんとなくだけど。
包み込まれていた手を握り返し、握手する。
「分かりました。カラ松、あなたを信じて頑張ります。なので必ず!必ず私を悪夢の追試から守ってください!」
私の言葉に応えるようにカラ松は親指をピンと立てた。
「フッ、任せなお嬢様!このオレカラ松が教えるからには、イングリッシュだけではなく学校では教えないような禁断の」「前置きいらないから早く」「かしこまりました」
カラ松は、髪を掻き上げながら赤いボールペンを手に取った。
「さぁ、時はきた!ヴィクトリーを手にする第一歩を踏み出す時が!」
カラ松のイタさはやっぱり天然なのかも。
「はいはい、じゃあよろしくね」
イタイのは相変わらずだけど、ちょっとひどく言い過ぎてしまったのを反省し、大人しく勉強を教えてもらうことにした。