第10章 リクエスト作品 ずっと笑わせてやるから〜おそ松〜
タイミング良すぎる来訪のおかげで、俺の彼女捏造疑惑は晴れることとなる。
「た、大変だ…みんな…こんな、こんなのって…」
玄関からチョロ松が慌てて戻って来た。そして、チョロ松のすぐ後ろには見覚えのある人影。
「主!?約束してたっけ?」
驚いて声を上げると、主はふるふると首を振った。
「もしかして俺に会いたくなっちゃったー?」
顔を覗き込めば、躊躇いがちに頷く主。
やべぇ今すぐ抱きしめてチューしたーい!
ってのはとりあえず後回し。肩を抱き寄せ隣に座らせる。
「だはははっ!見ろ弟達よ!俺の彼女の主!かわいーだろーっ!」
「かーわいーーーっ!!」
阿吽の呼吸で声を揃える弟達。全員正座して鼻の下伸ばしてる。
主はずらっと並んだ同じ顔に、緊張した面持ちでぺこりと頭を下げた。
「な?嘘じゃなかっただろー?」
『疑ってサーセンしたー!!』
「羨ましいだろ?」
『羨ましいです!!』
「ヤリたい?」
『ヤリたいです!!』
「ヤラせなーい!」
『オネシャーース!!』
主の様子を見ると、顔を真っ赤にして口をキュッとつぐんでいる。
(やべっ、悪ノリしすぎた)
こいつらにちゃんと紹介してなかったのは、べつに隠してたわけじゃない。
なんでかっつーと、
「ま、こんな感じの弟達だけどよろしくな」
「…っ、よ、よろしくお願い…しま、す」
臆病な主はきっとこうなるだろうと思って。