第10章 リクエスト作品 ずっと笑わせてやるから〜おそ松〜
紅葉も終わり、秋から冬へと移り変わる季節。
こんなクソ寒い日は弟達と家でダラダラに限る。
「ふぁーーーーあ」
「痛っ」
両手を伸ばして欠伸したら、トド松の側頭部にヒットした。
「あ、ごめん」
「気をつけて」
トド松は一瞬だけオレを睨むと、すぐスマホに視線を戻した。どうやらウンスタに写真をupするのに夢中らしい。画面を盗み見ると赤や黄色に染まった山の風景。いつの間に紅葉見に行ったの!?
「はーつまんねー。お馬さん行かなーい?」
家でダラダラにも飽きてきた。主、パチンコ、競馬、釣り、チビ太、トト子ちゃん、イヤミいじりetc…。なんでもいいから暇つぶししたい。
「……」
弟達の返事はない。その代わりチョロ松のボヤキが返ってきた。
「にしても、なんでこいつに彼女が出来たんだろう」
ちゃぶ台に頬杖ついて、チョロ松。
「未だに信じられんな」
腕を組んで眉をしかめるカラ松。
「脅迫した?」
「んなわけねーだろ!」
間髪入れずに闇松を否定する。
「そういえば会ったことないねー」
十四松の発言にトド松がスマホから顔を上げた。
「ボクもないや。ケータイに彼女からかかってくるかもって言われたけど一度もないし。あっれー?もしかして」
トド松が含み笑いをすると、弟達が一斉に白い目を向けてきた。
なんだよその無表情。全員同じ顔しやがって。
こいつら時々グルになって俺に仕掛けてくんだよな。タチ悪りぃったらありゃしない。
「嘘じゃねーし!ちゃんと新品卒業したし!」
「フッ、インザドリーム?」
「夢精じゃねーし!リアルだし!」
「ほんとかなー!……あれ?誰だろう?」
突然のピンポンにチョロ松が居間から出て行った。