第2章 With Ray(レイ)
気のせいだろうと思ったが、念のため恐る恐るゆっくりアリスがドアを開くと、思いもよらぬ人物がそこに立っていた。
「ヨ....ヨナ!?」
「君は自分の部屋に入るのに、いちいちそんなに警戒してるのかい?」
顔を顰めて答えるヨナに、アリスは言葉も出ない。
「何で....どうやって....ヨナがここにむぐっ」
湧き上がる質問を投げかけようとした途端、ヨナは素早くアリスの口を手で覆った。
「静かに」
声を潜めて言うヨナの顔は近い。ドキッとするくらい美しいヨナの顔がアリスを覘く。
互いがお互いを見つめ合う。
そして間があって、ヨナが口を開いた。
「君に会い会いたかった。」
ポツリ呟き、すこし嬉しそうにしたヨナに、アリスの鼓動は思わず速くなった。