第4章 With Luca(ルカ)
「…何やってるの、セス。」
案の定、というように、ルカが呆れ顔で、ベッドに腰掛けるセスを見た。
「お祝いしてあげるつもりだったのにー。残念すぎるわっ!」
「お祝い…?」
セスの言葉に、ルカがようやく光に慣れた目で部屋を見回すと、バルーンやらクラッカーやらが、使われずじまいで寂しく横たわっている。
「…ルカが、男になるなるのを祝うって聞かなくてな。」
「シリウス!?」
一段と低いダンディーな声が、棚の裏からしたと思うと、ヌッと背の高い影、シリウスが姿を現した。
「なんでガバっていっちゃわないのよー?」
「ガバ?」
「男でしょ、ルカ! もたもたしてるからボスが帰ってきちゃったのよー!?」
完全に愉しんでいる様子のセスが、駄々をこねるように言った。
「だって…」
「んもうっ、焦れったいわ! 見てらんない!」
「おい、セス。アリスの気持ちもあるだろ。もう少しゆっくり…」
シリウスが言葉を挟むと、セスは負けずに言い返した。
「そもそも略奪愛なのよー? 正攻法なんて効かないわっ!」
「そんなこと言ったって…」
ルカが困ったように言葉に詰まると、セスは決心したように、スッと立った。