第2章 With Ray(レイ)
閉ざされたドアに向かって、ランスロットが声をかける。
「ヨナ....お前が全く食事を摂っていない、とカイルに聞いて、心配になって来た。」
「!? ラ、ランスロット様!?」
ランスロットの声を聞くなり、ヨナは慌ててドアを開けると、坂間から泣き腫らしたように充血した琥珀色の目が覗いた。
「....失恋して泣いていたんだな。」
「な、泣いてませんし、失恋なんてしてま...........!?」
ヨナが言い終わるより先に、ランスロットの大きな手が、ヨナの頭をポンと撫でた。
「今夜は、俺が奢ろう。」
「え....っ!?」
「カイル、お前も付き合え。」
ランスロットに優しく言われると、ヨナは小さくなって赤面した。
その夜、ランスロットとカイルとヨナの三人で、セントラルにあるバーに繰り出したという。
〈おまけおしまい〉