第5章 親友

高等部3年のクラスには編入生がいた。
森川千春ちゃん。
ホテルを経営している森川グループの次女。
中学1年生から5年間はアメリカで過ごしてたんだって。

笑顔が可愛くて、明るくて、サバサバした性格の彼女はすぐに友達ができたみたいだった。

休み時間になると森川さんの机の周りには女子だけでなく男子も集まって、アメリカで過ごしていた時の話を聞いていた。

私はそんな彼女もどうせ心の中では家のための事しか考えてないんだろうと思っていた。