• テキストサイズ

カーニヴァル~與儀~

第17章 正体 ~與儀side~


「女…?
何言ってるの十夜くん?松岡ちゃんが女の子なんて、それくらい知って…」


途中で言葉を止めた。
だって十夜くん、凄い顔してたから。

怒ってるっていうよりは呆れてる…
いや、驚いて固まってる?



「マジ、か…」


呟くのと同時に座った状態からバタンとベットに倒れた。


「十夜く~ん、だいじょうぶ…?」

「………」



(…聞いてる…??)



ハァと大きなため息が聞こえた。



「…俺はさぁ、
素直じゃねぇしガキだし…何にも出来ねぇ。


…でも、アイツは…繋のことは守りたいと思うんだ。」

「…?」


顔は手で隠してて見えないけど、真っ赤な耳が見える。


「小っちぇ頃からの付き合いだし、どうせ俺のこと弟ぐらいにしか見てねぇんだろうけど…

それでもいつか、俺がアイツを守ってやれるようになりたいんだ。



…好きだから。」

「…!」



(そっか…。)



十夜くんの言うその“好き”は、俺の言った“好き”とは違った。



(『女として』

十夜くんは繋さんのことを、1人の女性として好きなんだね…。)


さっき言ってたのは、そういう意味の“好き”。



「おいっ!聞いてんのかよっ!!」

「えへへ…。」

「…何笑ってんだよ…。」


体を起こした十夜くんは真っ赤だった。

なんだか微笑ましくて、俺は温かい気持ちになったよ。


「…好きな奴は守りたいって思うだろ?」

「そうなの…?」

「そうなんだよ!


だから…あれだよ。

守れなかった自分がムカつくってのは、守りたいってのと同じなんだよ、きっと。」

/ 104ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp