第7章 緋色の再会──Sherry, Russian
「じゃあまずは受付に行ってみましょ」
私は2人を連れて会場の外に出ようとした。が、刑事に頼んでドアを開けてもらった瞬間にいつ嗅ぎ付けたのか、会場の外にはマスコミが殺到していた。カメラのフラッシュに3人で顔をしかめる。
何とか無事に外に出て、受付嬢に紫のハンカチを渡した人を訊くと──
「はい!この7人よ!」
シャンデリアのそばにいたあの7人だった。
「すいません、弟のわがままで」
私はぺこりと受付嬢に頭を下げた。受付嬢はにっこり笑って言った。
「いえいえ。でも本当に探せるんですか?紫のハンカチを落とした人なんて」
「ええ多分」
私がそう言うと、「おい出てくるぞ!」と記者が騒ぎ出した。
「え?」
次の瞬間、ドッ!と出て来たのは会場にいた人達だった。
人の波にのまれ、コナン君と哀ちゃんとはぐれてしまう。
「灰原!?瀬里奈!?」
コナン君の声が聞こえるが、彼の視線は全く別の方に向いている。
会いたいを探そうと視線を動かす。──見つけた。
「哀ちゃん!」
「あ、瀬里奈さ……」
哀ちゃんの顔が安堵に変わった次の瞬間、彼女の後ろに回り込んだ人物がいた。すぐさま灰原に何かを嗅がせて気絶させた。
まさか、あの人が──ピスコなの?
そう思った瞬間、後ろにまた嫌な気配を感じた。振り向く間も無くひょいっと体を掴まれ、私の意識は遠ざかった。
コナン君の叫ぶ声を遠くに聞きながら……。