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白い雪【名探偵コナン】

第7章 緋色の再会──Sherry, Russian


次に目を覚ましたのは、古い部屋。動こうと思っても腕が動かない。見てみると、両手は別々に手錠で柱に繋がれていた。そして薬の効果も相まって体がだるく、重い。

私……一体どうしたんだろう。ここに来るまでのことを思い出そうと、必死に記憶を手繰り寄せる。
ああそうだ、あの人波の中でコナン君と哀ちゃんとはぐれて、灰原が薬を嗅がされたのを見て動揺して……その隙を突いて私も誰かに薬を嗅がされたのだった。

見た所古い部屋だということだけは分かる。もし私を攫ったのがあのクリス・ヴィンヤードだとしたら、戻って来るまでに少し時間がかかるだろう。
手錠を外したくても片手ずつが柱に繋がれているため針金を取ることも出来ない。
どうしようか、と考えている内に瞼がだんだんと重たくなってきた。
あ、ダメだ。寝ちゃう──私の意識は深い眠りの中に落ちた……。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

次に目を覚ますと、手錠は外れていた。先程までの体のだるさはなくなっており、慌ててドアの方へ駆け寄った。が──

「あら、起きたのねルシアン。体は平気?」

ドアの前に立ちふさがっていたのは──

「クリス、さん……」

あのクリス・ヴィンヤードだった。だが彼女はサイレンサー付きの銃を私に向けていた。

「安心して、大人しくしていてくれれば撃たないから」

そう言って笑う彼女の瞳は笑っていない。むしろ獲物を前にした野獣の目だ。

「何が……目的ですか?私をここに閉じ込めて何する気?」

驚きと恐怖で声が震えた。クリスさんはニヤリ、と笑って言った。

「単刀直入に言うわね。あなたに組織に入ってもらいたいの」

──肝が冷えた。

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