第4章 物語の始まりへ
コナン君は蘭に連れられて工藤邸を後にした。
2人を見送った後、私と博士は2人揃って大きくため息をついた。
「ぎ……ギリギリでしたね」
「上手くやればいいんじゃがのう……」
ふーっと息をついてから思い出す。
「あーっ!」
「な、何かあったのか?」
「大学!明日は朝から講義なんです!だから早く起きなきゃなのに!ごめん博士、私もう寝るね!おやすみ!」
バタバタと家に戻って慌ただしく支度をした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
それからしばらくすると、コナン君からメールが入った。
『瀬里奈、悪いけどこんな女の人見かけたらオレに連絡してくれ』
写真付きのメールで、添付されている写真には眼鏡におさげの地味な女の人が写っていた。
今日は大学の講義が何もない日なので、不思議に思いつつもそんな女性を探してみる。やることも特にないし。
ふと、目についたホテルに入ってみた。
まさかこんな目立つところにはいないだろう、という思い込みを突いているかもしれないと思ったから。そして案の定──
「……いたし!いたよあの人!」
髪型や雰囲気は真逆だが、体型顔立ちその他非常によく似ている。
彼女が写真の女性だろうと思い、私は女性を追いかけた。