第11章 揺れる警視庁1200万人の人質
しばらく道を歩いて行くと、──「あら……」
高木刑事と白鳥警部が路肩に停めた車のそばにいた。
「終わったんですか実況見分……」
「ええ……あなた達はどうだった?」
佐藤刑事に訊かれた高木刑事は苦笑した。そしてそばにあった店を指差す。
「一応、店内は調べたんですが……」
「どうやらガセネタだったようで……」
白鳥警部が腕を組んで言葉を継ぐ。すると佐藤刑事が、
「だったら、後で由美とカラオケに行くんだけど、あなた達も行く?」
2人にそう訊いた。高木刑事は「え、ええ……いいですよ……」と承諾したが、白鳥警部は「じゃあ君だけで行きたまえ……今日はそういう気分になれないんで、僕は遠慮しておくよ……」
そう言って車に乗り込んでしまった。
「ねぇ、何の捜査でここに来てたの?」
コナン君が高木刑事に訊いた。高木刑事はコナン君に目線を合わせて話す。
「爆弾を仕掛けたって変な予告電話があってね……」
「予告電話?」
思わず私は口を挟んでしまう。高木刑事は私の方を向き、こくりと頷いた。
「今日は7年前と3年前の爆弾事件と同じ11月7日だから、一応来てみたんですけどね……」
その言葉に私とコナン君は何かが引っかかった。
爆弾予告……ガセネタ……。──まさか!!2人は同時に車を振り向く。
「白鳥警部!車から降りないでッ!!」
私が咄嗟に叫んだがもう遅い。すわ何事か、と周りが怪訝な顔をする。その瞬間──
ドン!!!
突然大きな爆発音が響いた。──白鳥警部の乗っている車が、爆発していた……。
「白鳥君!?」
佐藤刑事の叫びは炎にかき消えた……。