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境界線。【安室透夢小説】

第18章 二幕:はじまり



「これだけ混んでると少し時間かかりそうですね。」

「そうだね。あ、じゃぁ、その間に飲み物買って来るから、ここで待ってて、くのえさんはなにがいい?」

「ありがとうございます。んー...じゃあ、紅茶で。」

「OK。紅茶ね。」

そう言って安室さんは行ってしまい、私ひとりが残される。















1人になるとついつい良くないことを考えてしまう。
今日もまた届いているのだろうか。


最近になって差出人不明の手紙や荷物が送られて来るようになった。
中身は、パソコン打ちされた手紙や私の映った写真、花などのプレゼント、様々だった。
写真に至っては最近のものだけではない、自分すら忘れていたような昔のものまで。








はぁ、いやだ。
せっかく楽しい気持ちだったのに。
何か別のことを考えよう。別のことを。






そう思い空をみあげる。
今日は天気がいいなぁ。



そんなことを考えながらぼーっと安室さんの帰りを待っていた。


「こーんにちは♪」

見知らぬ男性に声をかけられる。

「こんにちは?」

「君、綺麗だなぁと思って声かけたんだけど、今なにしてたの?待ち合わせ?待ち合わせ相手も女の子だと嬉しいなぁ、なんて。」

「こ、恋人を待っています。だから..」

「あぁ。そーなんだ。じゃあ、連絡先だけ交換しよ?別れたら教えてよ。」

「別れませんし、そろそろ戻って来ると思うので。」

「へー。じゃあ、恋人が戻って来る前に愛の逃避行しちゃう?もう、今別れちゃえば?行こうよ。」

そう行って男は私の腕を掴む。
周りの女の子達は関わりたくないのか目も合わせてくれない。

「あの、離してください。」

「いいじゃん。ね?」

腕を掴んでいる力が強くなっていく。

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