第17章 *ドッペルゲンガー?*
「....待たせたわね。」
そう言って私に声をかけたのはいつしか安室さんの車の助手席に乗っていたブロンドの女性だった。
「....初めまして。美人なお姉さんで驚いちゃいました。行きましょうか。」
彼女と腕を組み歩き出す。
「今日は、私のわがままに付き合って下さってありがとうございます。とても楽しかったです。」
彼女とのショッピングはとても楽しかった。
あるお店ではコーディネートしてもらったり、一緒にコーヒーを飲んだり。
「....安室さんのこと何も話さなかったのガッカリしました?でも私、何も知らないんですよね。彼のお仕事のコト。それから、貴方とお出かけしたってことは安室さんには話しませんから。」
「アラ、どうして?話しておいた方がいいんじゃない?彼心配してるわよ。きっとね。」
「だって、貴方としては私が安室さんに話した方が都合がいいんでしょう?わざわざ、安室さんの変装して私と会ったんですから。私が安室さんに変装した誰かと会ったってことは、私が「今日は楽しかったです」とか連絡すればすぐに安室さんに分かることですから。だから、私からは一切お話しません。」
「残念だわ。彼が血相変えて私のところに来る面白い姿が見れると思ったのに。...それにしても貴方落ち着いてるのね。普通怖くない?自分が得体の知れない何かに巻き込まれるかもしれないっていうのに。」
彼女が面白そうにだが疑問気に呟いた。
「....今日のお出かけすごく楽しかったですから。お姉さんのこと大好きになりました。また街で見かけたら誘ってくださいね。いつでも待ってますから。」
「....変な子。」
「じゃあ、ばいばい。お姉さん。」
そう言ってお姉さんと別れる。