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境界線。【安室透夢小説】

第15章 *残り香*


くのえside


「あ!でも、付き合う前から思ってたけど、君はもう少し警戒心とか持った方がいいと思うよ?お義兄さんの友人だからってあんなにボディタッチして、相手が勘違いしたらどうするんだい。」

「ごめんなさーい。」

「...悪いと思ってないだろ。」

「分かっちゃいます?ふふ。これから気を付けますね。....できるだけ。」

「全く君は。」


そんなことを話しながら家まで送ってもらった。
安室さんは安心したのかそこからはいつも通りだった。
ただし、夜で人目もなかったこともあり、手を繋いだり、家の前でキスされたりいつも以上に甘やかされたけど。





今日やらなきゃいけないことが終わり1人では広いベッドに入る。
明日も早いし、寝てしまおう。

















































「あ、そういえば.....」

起き上がり、今日持ち歩いていたカバンの中からもういらなくなったものを取り出す。



.....煙草と今日1日付けていたコロンの瓶。



「捨てるの忘れてた。」

その2つをゴミ箱の中に捨てる。
もちろん、分別は忘れずに。




今日は、安室さんに小さな意地悪をしてしまった。
煙草に火をつけ、いつもは使わない男物のコロンを身につけた。
でも、 翠くんのお友達と会ったのは本当に偶然。

まさか、あんなに嫉妬してくれるなんて。

「...ごめんね。」



嫉妬。嫉妬なんかしないと思ってた。
私も安室さんも。

この間、安室さんがブロンドの美人な女性を車に乗せて運転しているところを見てしまった。

それに、 安室さんの車に乗るとたまに女物の香水の香りがした時もあったから.....。
私はそのことに不快感を覚えた。
嫉妬、だったんだろう。


だから、安室さんにもほんの小さな仕返し。
あぁ、嫌な女だなぁ。わたし。




でも、もう2度とこんなことするつもりはないけど。
安室さんがあんなに嫉妬してくれるって分かったし。
このことは、私だけの秘密にしておこう。








「...あれ? くーちゃん、まだ起きてたの?」

作業室から出てきた 翠くんと鉢合わせになる。

「うんん、なんでもないの。おやすみなさい。」





*残り香*end
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