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境界線。【安室透夢小説】

第15章 *残り香*


安室side



ポアロのバイトの終了まで残り30分。

なんだかモヤモヤする。
いつもと違うシャンプーの香り。
知り合いの家にお泊まり。
くのえさんに限ってまさか男性の家とかじゃないよな?
.......ありえないとは思うが、 くのえさんはしっかりしていてどこか抜けてるところもあるし。無防備だし。


でも、 くのえさんとデートの約束ができたのはすごく嬉しい。




「...はぁ。 くのえさん、早くこないかな。」


そう小さく呟き窓ガラスの外を見ると くのえさんの姿が見えた。
.........一緒にいる男は誰だ。


眉間にシワがよっていくのがわかる。

あんなに親しそうだし....。
腕とか背中とかボディタッチまでしてるし。

まさか、あの男の家に一泊して...この時間まで一緒に?

「....安室さん?外を睨みつけてますけど、何かあったんですか?」

梓さんが心配そうに声をかけられる。

「あ、いえなんでもありませんよ。」

もう一度外を見ると くのえさんは男に手を振って分かれていた。
そして、こっちに向かって歩いてくる。

俺に気づいたのか笑顔になり手を振る。



カランカラン



ポアロの扉が開く。

「安室さん!あと少しですね。」

くのえさんが駆け寄る。
ふわりと煙草の匂いがする。
くのえさんのお義兄さんは煙草は吸わない。
今まで一緒にいた人が吸っていたのだろうか。


「......安室さん?あ、あの。...私、座って待ってますね。アイスコーヒーお願いできますか?」

「はい。...カウンターで大丈夫ですか?」

笑顔を作り くのえさんをカウンターまで案内する。

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