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境界線。【安室透夢小説】

第15章 *残り香*


くのえside

土曜日。
安室さんは今日ポアロにいるらしいから覗いてみよう。

もしかしたら、他にも誰かいるかもしれないし。
蘭ちゃんとか、コナン君とか、少年探偵団のみんなとか。

そんなことを考えながらポアロに向かう。

ガラス越しに中を見るとやっぱり居た。

カランカラン



「コーナン君!」

「... くのえ姉ちゃん。」

コナン君が店のカウンター席に1人座って居た。
その隣に座る。

「どうしたの?1人?」

「蘭姉ちゃんは部活で、おじさんはお仕事だよ。 くのえ姉ちゃんこそどうしたの?」

「...今日はね、、」

そう言ってキッチンにいる安室さんを小さく指差した。

「あ、梓さん。ダージリンのホットとレモンパイ2つお願いします。」

「はい。2つですか?」

「コナン君も食べるよね?」

「はい、かしこまりました。」

「僕別によかったのに。」

「いいからいいから。」





「... くのえさん。ご注文のダージリンとレモンパイです。」

安室さんが運んで来てくれた。

「こんにちは。元気そうですね。」

「おかげさまで。今日はどうしたんですか?」

「少し時間が出来ちゃったので。それに、お店の中覗いたらコナン君が居たからつい。

「...... くのえさん、シャンプー変えました?なんだか、香りがいつもと」

「うーん...昨日知り合いの家に泊まったんですよね。だからかな?」

「....すごーい、僕 くのえ姉ちゃんの匂いとか全然わかんなかったよー。」

コナン君が呆れたように話す。

「 そうですよ。シャンプーの話をしに来た訳じゃなくてですね。安室さん、今日何時上がりですか?夕方から時間できたのでよかったらと思って。」

「今日ですか?今日は、6時、だったかな?」

「じゃあ、それくらいの時間にまたポアロにくるので、一緒にどこか出かけませんか?」

「もちろんです。楽しみですね。」

安室さんがにこにこと笑っている。
そのことに少しだけ罪悪感を感じる。

「今日は、この後また人と会う約束をしているので。これ、いただいたらすぐ出なきゃいけないんですよね。もう少しお話ししたかったです。」

「そうなんですね。じゃあ、ごゆっくりどうぞ。」

そう言ってまたコナン君と2人になる。
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