第2章 真実
「お前っていうの、やめてもらえない…?」
なぜ連れられてきたかわからないままの私をリトスは城内へと案内した。
一応それぞれ自己紹介はしたもののリトスは私をお前と呼ぶ。
「あのな〜…さっき教えてくれたミカってのは、うかつに人に教えちゃいけないんだ
俺のリトスってのも本名を少しもじっただけで。
それを神に教えたら神隠しにあうんだよ。
俺もこんななりだけど一応神だかんな。
絶賛ミカを神隠し中って訳だ。
まぁ、泉で攫ったのは誘拐だけどな。」
やっと名前で呼んでもらったと思えば恐ろしい話までついてきた。
「そ、そんな…。私お母さんにもお父さんにも別れを告げてないよ。
ヨアニスにもだし、私村の花の水やりの担当なの。」
「いや、ミカの両親も神隠しのことは知ってると思うぞ?
それなりの心構えだってしてるはずだ。まぁうちの娘が、とはなるだろうけどな」
さも当たり前のように言うが冗談じゃない。
知ってる?心構え?
小さな脳をフル回転してもやはりたどりつくのはファンタジーで現実味のないものばかり。