第1章 出会い
そのあとドスンと質量のあるものが落ちた。
勢い余って前のめりのままドアの外へ放り投げられた。
私は質量のあるものへ覆いかぶさってしまった。
目いっぱいに広がる青。
思いっきりぶつかってしまったのは私をここまで連れてきたであろう人の形をしている竜だった。
ぶつかってわかったけれど、彼の身長は2メートルはあった。
「ごめん、なさい」
沈黙を突き破ろうと発したけど語尾に近づくにつれ小さくなる私の声。
緊張と、羞恥心で声も体も小刻みに震える。
「ん?小娘くらい一人平気だよ、というか飛んでお前をここまで連れてきたのは俺だし…まぁドアのタックルはキツイけどな」
黄色い爬虫類のような黄色い目を細めて笑う。
それが、リトスと私の出会いだった。