第1章 1.はじまりの章
気がつけば、私の周りの景色が変わっていた。
暗い夜道だったのに、雲の上に居るみたい。
何処だろう、と不安な気持ちで周りを見渡していると、どっかで見たことある白い生き物を見つけた。
「あ、あれって…」
慌てて走り寄ると、そこにはモコモコの白い羊。
白い羊のきぐるみを着た子供っぽい感じかな?
何処か、チョロ松君と似てる。
その羊と目が合うと、羊は慌てたように小さな両腕をパタパタと振る。
その仕草はとっても可愛くて、頭を撫でた。
その瞬間。
「気が付きましたか、真白。我が下僕の命を助けて頂き、有難う御座います」
慌てて後ろを振り向くと…。