第14章 Nothing will come of nothing.
その後は運転と、気疲れもあって直ぐに睡魔に襲われて携帯を握りしめたままに眠り続けていた。
玄関からのチャイムに起こされて、ようやく目が覚めたのはその日も終わりに近い23時過ぎたころだった。
櫻『あ~。 もうこんな時間か……久しぶりにこんなに寝たな』
寝癖でぐちゃぐちゃになった髪を更に掻きながら玄関へと向かう。
櫻『どちらさまですか?』
松『俺……、松本です………』
メール来てる事にも気がつかなかったのか、モニターに映る松本の姿と共に、控え目に応える声が聞こえた。
櫻『ごめん、今まで寝てたんだ。 上がって。』
松『はい。 すみません、返信きてなかったのに家まできちゃって。 おじゃまします。』