第14章 Nothing will come of nothing.
街灯もなく、すっかり辺り一面闇に包まれたころ施設を後にして家に着いた頃にはすっかり夜は明けてしまっていて
滝沢もとりあえず、園長からの連絡まで一旦は家に帰ってくれたから一人になり、松本にメールを送った。
何も聞かず、ただ会いたい……話しがしたいと………。
もしかしたら、もう返事も帰ってくることもないだろうと思っていた。
『俺も話したい……会いたいです。』
だけど返ってきたメールには予想に反した言葉があった。
もしかしたらこれで蹴りがついたらアイツは……。
自分の命も最後のつもりでいるのかもしれない。
二人で今井のところに乗り込んでいたのを知った時から何となくそんな事を想像してしまっていて…その事は滝沢にも正直に話してみたんだ。 長瀬が亡くなった時の悲しみは滝沢も大きいものだったから…。