第21章 或いはスナイパー
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両親は小さな街の医者だった。
兄も医者を目指していたが、周りからの勧めもあって政治の道へと進んだ。
そして自分も道を反れる事なく、街から出て大学をでて大きな病院に勤めていた。
兄『お前に会って欲しいやつがいるんだ。』
孝『はぁ? …兄貴が見合い話かよ?』
兄『はは。 違うよ…。 まぁ……それよりももっと
酷な頼みになるけど………』
そうして俺は近藤組へと足を踏み入れたんだ。
最初はただ兄貴からの頼みだったからだけど、すぐにそこの息子の旬、歳も近かった事もあってムロとは兄弟のような関係になって行った。
近『智也の事なんだけど、お前が気にかけてやってくれないか。
あいつがやってたバイトの事でヤバいヤツらが動いてるって話なんだ。』