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幸せになりたい!『刀剣乱舞』

第4章 第四章


お風呂場から寝巻きに着替えた私は明石さんを待っていた。丁度いい場所に竹で出来たベンチがあったのだ、私は濡れた髪の毛をバスタオルでポンポン当てて乾かしながらゆっくりと時間を潰した。

「明石さん…」
「主はん、なんですん?わざわざ待っとってくれてましたん?」
「それはそうですよ…あの。余りこういう事を聞きたくはないんですけど、私の身体見ましたか?」
「…あぁ、中々えぇ身体しとりましたなぁ」
「くっ、やっぱり見たんですね?」

のんびりな口調でいい不適切な笑みを浮かべた明石さんの言葉にガクッと項垂れる。確かにタオルだから前を隠せても後ろは隠せないし、抱き締められて身体に触られたと時点で「見ましたか?」という質問は可笑しな話しという訳だ。

「怒っとりませんの?」
「いえ、寧ろ貧相な身体を見せてしまいましてすみませんでした…」
「貧相…んーそないなことなかったと思いますけどなぁ?」
「ふふっ…ありがとうございます。ただ自分の身体には自信がないのは確かですから…」

苦笑いを浮かべて少し考えてしまう。友人だと思っていた元女審神者はボインだった。峰不二子かというくらいの身体付きのプロポーションをいつもキープしていて、誰よりも美人であった。私は彼女の隣にいて、引き立て役を務める事が多かったと思う。好きな人が出来てもやはり皆彼女を好きになったし、例え行為を行った時も相手の男は私の身体を見て「貧相な身体付きだな」と言われた時は心が折れた思い出がある。

だからこそ、私の見た目や性格も色々と愛してくれていると思っていた彼がまさか元女審神者の彼女と結婚だなんて…正直に言えば信じたくはなかった話しだ。けれど政府から私に審神者をやらないかと依頼が来た時、とても嫌な予感はしていたのだ。

「主はん?」
「!…すみません、気が遠くに行ってました。逆上せたのかも知れませんね?」

気に掛ける明石さんの言葉に大丈夫だと笑う私は、さっきまであった事を全て忘れて下さいと伝えた。少し嫌そうに首を傾げた彼は「嫌ですー…」と呟き目を細めるだけである。

「うーん…そこをなんとか!」
「なら、主はんの大事なモノ…くれます?」
「大事なモノですか?」
「あぁ…なんでも宜しいですわ、なにかありませんの?」

なにか…私の大事なモノ。と言っても彼が欲しがるモノなど持っていないだろうし、一体どうしようかと考えて見た。
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