第7章 O×S③
バァァンっ!
勢いよく扉があいた気がした。もう辛くて意識が朦朧としていた。
「翔くん!」
あぁ、幻聴? ふふ。俺も重症だなぁ。
こんなときに智くんの声が聞こえるなんて。
そう思っていたら。
ス「ぐはぁっ!!」
スタッフの呻き声が聞こえて、蕾から抜ける感覚があった。
身体には力が入らないけれど、顔だけ少しあげてみるとそこには望んでいた相手が。
翔「えっ?さとし、くん…」
いつもの智くんとは違う怖い顔をした、智くんがスタッフを一発なぐったみたい。
そして、俺にブランケットをかけて、あらかじめ連れてきていた警備員を呼んで、スタッフを連れていくよう指示した。
そして、智くんがこっちに来ようとしている。
見られたくなかった。こんな姿。
汚れたおれの体。腕はまだ縛られていて動かせないし、体に力がはいらないけど、暴れた。
翔「やだっ!来ないで!みないで!どうして…?そんな顔でみないで!同情かなんか?」
大声でそう言うと、智くんは優しい顔で俺を抱き締めた。
抱き締めてくれたのはすごく嬉しいけど、さっきの恐怖や、自分が汚れたことが離れず、体が震えて智くんを拒んだ。
翔「やだっ!やめてっ…触んないでよ!俺…きたない…けがれてる…」
それでもなお、智くんは俺を抱き締めてくる。強く、優しく。
智「翔くんが呼んだろ?聞こえたよ。智くんって、助けてって。 翔くん、おいらだよ?メンバーもみんないるよ?よく見て。きたないだなんて思わない。」
そう言いながら腕の拘束をほどいてくれて、身体を離して顔をあげてくれた。
翔「みんな…」