• テキストサイズ

ツインシグナル成り代わり夢(オラトリオ落ち)

第5章 わたしのなまえ


「……っ私は、本気です!」

「じゃあやってみな。今すぐな! だがな、お前を消しはしない。少なくともこっから追い出してORACLに通信出来ないように強制的にガードをかけるだけだ。お前が思っている様な事にはならねえよ」

「……っそんなの、私は……っ」

「お前がどう思おうと!」

「っ……」

「お前が、どう思おうと。俺達ロボットはお前達人間を傷付ける事は出来ない。それは電脳空間でも、だ。それが教えなんだよ。俺達を作った研究者達の……親達の教えなんだ」

「……う……ぅ」

 くしゃり、と私の顔が歪み頬を涙が伝う。

 私は、人ではないのに。

 でも彼らヒューマンフォームロボットからみればきっと私は人なのだろう。いいえ、それはみのるさんや正信さん……信彦とて同じこと。

 私は、自分で自分の存在が許せないんだわ。人でもなく、機械でもないこの“私”という存在が。

 誇らしかったDrクエーサーの作品である私という存在。でも今はとても__。

「オラトリオさん。今日は……今日だけは私を追い返さないで下さい。私はORACLEには何もしません。貴方にも何もしません。だから……だから今日だけは私をここにいさせて下さい」

 今日だけでいい。私に人としてではない居場所を下さい。BUNDLEとしての……居場所を。

 彼のローブに手を伸ばし、もう一度今度はそっと掴む。まるで子供の様に連れて行ってと言いみあげれば、オラトリオは暫し私を見た後。

「ついてこい」

 と私の手とりORACLEへと続く門をくぐった____。

/ 60ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp