第1章 楽しまなければ損損♪
廊下に出るとひんやりする。
足からぞわぞわ〜っとして身震いしてから、意を決して外が見られる縁側へ急いだ。
開け放たれた障子から見えたのは、一面の銀世界だった。
月海「えっ!わぁ〜っ。」
思わず感嘆の声を上げる。
本丸の庭は趣のある雪景色。
昨日の夜中から降ったに違いなかった。
暫しぼーっと眺めていると、何やらキャッキャとはしゃいでいる1弾が外にいる。
粟田口の短刀達が雪を触ったりぽいぽい放ったりしている。
月海「はは。楽しそう。」
「風邪を引かないか心配です。」
月海「うわぁぁぁぁぁっ!!」
1人だと思っていたのに、直ぐ後ろで声がして驚いた。
振り返ると、一期が少し困り顔で立っていた。
一期「主様、おはようございます。驚かせてすみません。」
月海「あ、おはよう。あーびっくりした(汗)えっと、風邪かぁ。」
そう言ってもう1度粟田口達に目を向ける。
た、短パン…。そうだあの子達短パンじゃぁないか。
絶対寒い!!
月海「スキーウェア着せないとね…」
一期「すきーうえあ??」
そんなやり取りをしていると、小狐がやって来た。
小狐「こんな所で何をしておるのじゃ?」
月海「雪が積もったなぁって見てる所。小狐丸はもう見た?」
小狐「おお、これは主殿。ええ、先程。」
そう言って小狐はニコニコした。
そこに光忠がやって来た。
光忠「いたいた!ご飯が冷めちゃうよ?」
その一言を聞いて、一期は弟達を呼び戻しに掛かり月海と小狐は連れ立って居間へと向かった。