第4章 耳、みみ、ミミ!
月海「?」
なにをしてるのかよく飲み込めず、首を傾げる月海。
薬研「ここに雪玉は五つ。これが最後って事だ大将。」
思わず雪壁に飛び付いて月海は目を丸くした。
月海「ほ!本当?!」
薬研「中々やるもんだなぁ〜。でも、この五つで必ず当てるぜ?」
まだ余裕がある笑みを見せる薬研に、月海もにっこりと応戦する。
月海「ふふん!たった五つでしょ?避け切ってみせる!」
薬研・月海「いざ!勝負!!」
2人は同時に振りかぶって、投げる構えをした。
正に真剣勝負だ。
振りかぶった手が大きく弧を描いた。
その時だった。
秋田・五虎退「主様ーーーーっ!!」
突然聞こえた2人の声に反射的に月海は振り返ってしまった。
これまで近くで黙って見ていた小狐丸と光忠が声を上げて立ち上がった。
小狐丸・光忠「ダメだ!!」
月海の後頭部に鈍い衝撃が走る。
薬研「よっし!!」
月海「あ。」
ぴょこん!
秋田・五虎退「えぇーっ!?」
驚いて口を手で覆う2人を見ながら、月海は脱力してバッタリと倒れたのだった。